愛犬との旅行やお出かけは、日常を離れいつもと違う経験ができる特別な時間です。
犬を家族にお迎えしたからには、飼い主さんと一緒に外出先や旅行にも連れていきたいですね。
この記事では、以下の内容についてお伝えします。
ここでの「お出かけ」は愛犬を同伴してのショッピングやドッグカフェ、日帰りのドライブから一泊以上の旅行やキャンプなどへ行くことを指しています。
愛犬を飼ったばかりで「初めてのお散歩」の準備をしたい方はこちらの記事をご参照ください。
↓↓普段のお散歩とは違った、カフェやショッピング、また少し遠くへのお出かけや旅行については、ぜひこのまま記事を読み進めて下さい♪
犬とのお出かけに必要なワクチン接種と条件
愛犬と信頼関係ができてくると、そろそろ一緒にお出かけしたくなるものです。
しかし、お出かけには必要な条件がいくつかあります。
この章では愛犬とお出かけするために必要なワクチンなどの条件をご紹介します。
ワクチンプログラムの終了
ワクチンプログラムが終了していることが、お出かけに必要な第一条件となります。
最近では犬との同伴が認められる施設が増えていますが、同時にワクチン接種の証明書の提示を求められることも多くなっています。
ワクチン接種が完了したら証明書をもらい、大切に保管してください。
また、同時にフィラリア・ノミダニ予防についても獣医師に相談するとよいでしょう。
※キャンプや山、川などのアウトドアに出かける場合は、流行しているウイルスなどにより、地域によっては追加で必要になるワクチンがある場合もあります。行き先なども含めて獣医師に相談ましょう。
トイレができる
トイレトレーニングは日常生活でも重要なことなので、最初にするトレーニングではないでしょうか。
しかし普段は問題なくても、お出かけ先で粗相をしてしまうこともあります。
トイレシーツでしてほしいときにできるようトレーニングをして、お出かけに備えましょう。
まだ心配な時はマナーベルトやマナーウェアも活用しましょう。
※お出かけすることになってから急にマナーウェアをつけても嫌がってしまう場合があるので、おうちの何でもない時にも少し練習してみるがおすすめです。
社会化トレーニングを始めている
子犬には生後3週齢~12週齢くらいまでの「社会化期」という時期があります。
この期間に経験したことには順応しやすく、その後の性格形成やストレス耐性などにも影響を及ぼすといわれます。
したがってできるだけこの時期を逃さず、たくさんの経験をさせてあげたいもの。
しかし、社会化トレーニングは一生続くものなので「ここまでできたら終わり」ということはありません。
無駄吠えをしない、周囲に危害を加えない、トイレができる、など最低限の社会化ができたらそろそろお出かけの時期と考えてよいでしょう。
※また、保護犬や飼い主さん交代などの理由により成犬になってから飼うことになったわんちゃんでも、子犬の時に比べれば大変ではありますが、きちんとトレーニングをすれば、しつけや社会化もできます。
成犬でご家庭でのトレーニングが大変な場合には、専門のアドバイザーなどに相談して協力してもらうこともわんちゃんと楽しく過ごすための近道です。
散歩が問題なくできる
毎日の散歩もお出かけには大切です。
散歩ができる、ということは外の刺激にある程度慣れていて、出会った人や犬にも危害を加えないということ。
散歩が問題なくできていたら、お出かけまではもうすぐです。
子犬のうちからの「社会化」を意識した、はじめてのお散歩についてはこちらの記事を参考にして下さい。
乗り物に慣れている
お出かけには乗り物がつきもの。
お出かけまでに少しずつ慣れさせてあげたいですね。
乗り物酔いの原因のひとつに、乗り物慣れしていないことがあります。
いきなり車や電車に乗せられて、揺れ・人ごみ・不快なにおいなどがあれば、不安から乗り物酔いしてしまうことは十分考えられます。
一度乗り物で嫌な経験をするとそれ以降も乗り物を嫌う傾向が強いため、初めに嫌いにならないようにしてあげるのが肝心です。
車でのお出かけの準備やコツ、注意点はこちら
電車でのお出かけの準備やコツ、注意点はこちら
初めてのお出かけ前にしておきたい準備
初めて愛犬とお出かけする前にどんな準備が必要なのか、心配される方も多いのではないでしょうか。
この章では、愛犬との初めてのお出かけ前にしておきたい準備をご紹介します。
持ち物リストの作成と用意
まずは、愛犬とのお出かけに必要な持ち物をご紹介します。
ご参考のうえリストを作成しておくと、お出かけの際にも便利です。
基本の持ち物
- 首輪・ハーネス・迷子札・鑑札・リード
- クレート
- トイレシート・ウェットティッシュ・トイレットペーパー
- うんち袋・ゴミ袋
- フード・水・食器
- ワクチン証明書
これらは季節や行き先に関係なく携帯すべきものです。
リードはキャリーやペットカート、クレートで移動する際でもでもつけておくことが必須です。
またトイレをあまり我慢させずに済むよう、トイレシートやうんち袋は必ず持参しましょう。
季節にもよりますが、水は飲料用以外にも使い道が多いので少し多めに。
マナー用の持ち物
マナーを守るためにぜひ持参したい持ち物をご紹介します。
- マット
- マナーパンツ・ベルト
- 洋服
- 粘着クリーナー・ブラシ
- タオル
- 消臭スプレー
マットはドッグカフェやレストランで、待っている際に使用します。
床に直接座らせるよりも、マットやシートのうえに座らせる方がより好印象。
施設によっては、椅子に乗せる際も、マットやシートを敷くルールを設けている場合もあります。
日ごろからマットやシートでおとなしくできるようにトレーニングしましょう。
お店の入り口に敷かれているマットは、いろんなにおいがついているためマーキングしてしまうわんちゃんも少なくありません。
マナーベルトをつけるか、抱っこやカートなどでにおいから遠ざけると安心です。
洋服は暑さ・寒さ対策としても有効ですが、細かい毛の飛散防止にも役立ちます。
粘着クリーナーやブラシはお出かけ先で入店する前のエチケットとして、ぜひ備えておきたいアイテムです。
愛犬を落ち着かせる・気をそらせる
お出かけ先では何が起こるかわかりません。
相性の悪い犬に遭遇したり、急に子どもが手を出してきたりしたときのため、落ち着かせる・気をそらせるためのアイテムも用意しましょう。
- おもちゃ
- ご褒美おやつ
- ケージカバー
おもちゃは誤飲の心配がないものを、ご褒美おやつは小さく切って少しずつあげられるようにしましょう。
ケージカバーは、犬は本来暗いところを好む習性があるため、ケージにかけて周りが見えないようにしてあげるものです。
何かに対して興奮して吠えているようなら、物理的に吠えている対象から遠ざけたり見えなくしてしまうのが良いでしょう。
万が一に備えて
ちょっとしたケガに備えて、救急用品を用意しましょう。
- ハサミ
- 包帯(包帯止めテープ)
- 綿棒
- トゲ抜き
- 滅菌ガーゼ・脱脂綿
- 酔い止め薬
- 普段服用している薬
- 付近の動物病院連絡先 など
ポーチにひとまとめにして、必要なときにすぐに取り出せるようにしておきましょう。
季節の対策品
お出かけの季節や利用する施設によって必要なものがあります。
- ひんやりグッズ
- ほかほかグッズ
- ブランケット
- 防寒着・レインコート・靴
- 虫よけ
夏休みなど暑い季節には熱中症予防のため、クールベストやネッククーラーなどのひんやりグッズを忘れずに。
犬は人間よりも暑さに弱く、アスファルトからの輻射熱も受けやすいので十分気をつけてください。
冬は寒さに弱い犬種の場合、特に念入りに。
使い慣れているブランケットがあれば、安心と防寒の両方の効果が期待できます。
なお犬種によりますが、雪のうえを歩く予定があれば毛玉防止の靴が必要です。
愛犬とのお出かけに必要な持ち物についてはこちらの記事で、チェックリストやそれぞれのアイテムについて詳しく解説しています。
基本的なしつけ
お出かけに必要なしつけは、日常生活を送るうえでも必要です。
たとえば次のようなものがあります。
これらのしつけは周囲に迷惑をかけないだけでなく、犬自身の安全のためにも身につけたいものです。
基本的なしつけについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
愛犬とのお出かけで気をつけたいマナーや注意点!基本のしつけは?
お出かけに慣れさせるには
普段の散歩とお出かけは違います。
お出かけはいつもの散歩ではできない経験ができる貴重な機会ですが、いきなりのお出かけは犬にとって大きなストレスになる可能性があります。
そのため「近いところから」「短時間から」慣らすことが大切です。
散歩がまだ上手にできないなら、散歩が好きになるようにしましょう。
上手に散歩できたらたくさん褒めて「外には楽しいことがある」と思わせることがポイントです。
犬も性格に違いがあるので、もともと外が好きな子とそうでない子はいると考えられます。
しかしお出かけに慣れさせるには、どの子も散歩の延長として少しだけ遠くまで行ってみるところから始めるのがよいでしょう。
少し足を延ばし学校や保育園の周囲をひと回りしてみる、線路があるなら線路沿いの道を歩いてみる、などときにはいつもの散歩ではしないような経験をさせてあげてください。
乗り物に慣れさせることも大切です。
お出かけの移動手段が車なら車に、電車なら電車に慣れるよう短い距離から乗せてみましょう。
車や電車に慣れさせるトレーニングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【愛犬とお出かけ】車好きになるには?嫌がる原因や注意点・休憩スポットをご紹介
犬と電車に乗る際のルールやマナーは?お出かけまでの準備とおすすめスポット
愛犬との1泊以上の旅行での注意点
日帰りのお出かけに成功したら、次は愛犬と旅行に行きたいとお考えではないでしょうか。
最近は犬同伴OKの宿泊施設も増え、愛犬と旅行できる環境が整ってきました。
まずは一泊旅行から始めよう!
まずは1泊から始め、乗り物に慣れ入店・入館時のマナーなども守れるようであれば連泊の計画をたてるのもよいでしょう。
しかし外泊は「家に帰れると思っていたら知らないところにきた」と戸惑う可能性もあります。
そんな不安を和らげるためには、クレートトレーニングが大切です。
旅行にはクレートトレーニングは必須
外出先で必要なことのひとつに「クレート内で落ち着いていられる」ということがあります。
旅行の際にはどこでもわんちゃんと一緒に入れる訳ではないかもしれません。また、飼い主さんが食事やお風呂の間は、わんちゃんは知らない場所でしばらく待機していないといけないばあいもあります。
普段からクレートに慣れさせ中で落ち着いていらることができれば、どこへ行ってわんちゃん本人が落ち着いて過ごせるのです。
トイレは合図でできるようになると◎
旅行に行くならトイレはトイレシートでできるようにトレーニングすることが必須です。
愛犬の食事状況を普段から観察し、宿泊施設に入る前に合図でできるようになると、わんちゃん、飼い主さんとも安心です。
まだちょっと不安が残るわんちゃんには、マナーパンツも活用し、宿泊施設に迷惑のかかることのないように気をつけましょう。
またお部屋では念のため、トイレシートの下に大きめの防水シートを敷いて、床を汚さないようにするのもおすすめです。
はじめの宿泊は犬連れ専用の施設がおすすめ!
ペットと泊まれる宿泊施設は、年々増えていますが、はじめてのお泊まりにおすすめなのは、犬連れ専用の宿泊施設です。
他の宿泊者の方もみんな犬連れなので余計な気を遣わなくてもよいですし、施設の作りから床の素材に至るまで、ワンちゃん用にできているので、犬にとっても快適に過ごせる場所です。
また初めてのお泊まりで飼い主さんが慣れていなくても、施設のスタッフさんは犬連れのお客様に慣れているので安心です。
小谷流の里 ドギーズアイランド
都心からアクセスの良い、千葉県八街市小谷流(こやる)にある自然豊かなドッグリゾートです。
ゲストルームは、ホテルタイプやコテージタイプなど、目的や人数に合わせて選べる様々なタイプの宿泊棟があり、少人数から大家族までゆっくりと素敵な時を過ごすことができます。
施設内には、1.2kmのお散歩コースのほかに、約1万平方メートルの広大な敷地を誇る天然芝のドッグラン(小型犬専用、中〜大型犬専用、全犬種用、貸切用)また暑い時期にはミスト、雨の日には屋根を兼ね備えた全天候型のドッグラン、わんちゃんが遊べるじゃぶじゃぶ池もあります。
施設内には、7つのレストランやカフェがあり、犬連れで利用可能です。
ドギーズアイランドは日帰りで楽しむこともできるので最初のお出かけにもおすすめです。
名称 | 小谷流の里 ドギーズアイランド |
住所 | 〒289-1135 千葉県八街市小谷流624 |
電話 | 043-312-1110 |
アクセス | 【車】東関道 佐倉ICより12km、千葉東金道 山田ICより7km。【電車】八街駅からタクシーで約15分。 |
公式サイト | https://doggys-island.jp/ |
レジーナリゾート箱根仙石原
レジーナリゾート箱根仙石原も都心からアクセス良く、緑の多い箱根の山の中に佇む犬連れ専用のホテルです。前述したドギーズアイランドとは、また違ったタイプで静かな山の中で愛犬と一緒にゆっくり過ごせる宿です。
客室数は全部で22室、すべてに露天風呂を兼ね備え、1階のお部屋には23㎡のプライベートドッグラン、2,3階のお部屋にはテラスから箱根の壮大な景色が季節ごとに彩りを変えて楽しめます。
床には滑らない抗菌素材を使用し、またわんちゃん専用アメニティなども準備されているため、初めてのわんちゃん連れお泊まりでも安心です。
周辺は仙石原、大涌谷など箱根の名所ですが、車で20分の場所には御殿場プレミアムアウトレットもあり、ショッピングもたのしめます。
名称 | レジーナリゾート箱根仙石原 |
住所 | 〒250-063 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817-360 |
電話 | 0460-83-8211 |
アクセス | 【箱根登山バス「台ヶ岳」バス停より徒歩約5分/無料送迎あり】強羅駅よりお車にて約30分/東名高速御殿場ICより車約20分 |
公式サイト | https://www.regina-resorts.com/sengokuhara/ |
お出かけするなら散歩から
早く愛犬と一緒に旅行やお出かけしたいとお考えの方も多いでしょうが、何より大切なのは段階を踏んで徐々に慣らすことです。
小さいときから家の中で過ごしてきた犬にとって、外の世界は初めてのことだらけで怯えてしまう子も多いかと思います。
しかし、小さな頃から外には楽しいことがたくさんあることを経験させてあげることで、お出かけが好きな犬になることも可能です。
プレ散歩、抱っこ散歩の仕方など、子犬のうちからの「社会化」を意識したお散歩デビューについてはこちらの記事を参考にして下さい。
まとめ
大切な家族である愛犬とのお出かけ・旅行は、愛犬と飼い主さんとの絆を深める大切なイベントの一つですが、うまく行くためには事前の準備が欠かせません。
準備はワクチンや持ち物だけでなく、基本的なしつけや愛犬の社会化、またトレーニングなどワンちゃんも一緒に少しずつ準備していく必要があります。
「〇〇日までにトイレトレーニングを完璧にしないと!」と焦ってしまうと、わんちゃんにも飼い主さんの気持ちが伝わってしまいます。
「お出かけする」と決めた日から始めるのではなく、普段からいつかお出かけする日のために、愛犬とコミュニケーションをとりながら進めていけると良いですね。